郡司和夫

それにしても、怒りさえ覚えるのは山崎製パンの企業姿勢です。もし、消費者の健康を第一に考慮しているのならば、サンドイッチ状の惣菜パン「ランチパック」や食パン「芳醇」などに添加している小麦粉処理剤・臭素酸カリウムの使用をすぐに中止すべきです。 臭素酸カリウムを添加すると発酵時間が短くなる上、傷んだ質の悪いパン生地でもふっくらと焼き上がるため、1980年までほとんどのパンメーカーが使用していました。しかし、国際機関で相次いで、臭素酸カリウムの発がん性が報告されたことと、学校給食から臭素酸カリウムを追放する消費者運動の高まりなどから、日本パン工業会は使用自粛を決定したのです。 ところが突如、2004年に山崎製パンが使用を再開したのです。「高精度の分析技術が開発され、最終製品には残留しないことが確認された」というのが、使用を再開した理由です。